【温熱治療の新しい展開】

 現在、光免疫療法及び免疫チェックポイント阻害薬治療、がんウイルス治療など新しいがん治療技術が開発され、がん治療は新たな展開を見せています。ここで問題となるのは、その奏功率向上をいかに上げていくかという課題です。特に、制御性T細胞が奏効率に大きく関係することが分かっておりこれに対する対策が急がれております。2023年富山大学医学部基礎放射線教室にて「温熱治療が、制御性T細胞を抗がん効果のある免疫細胞(TH17細胞)に分化する」ことが確かめられており、がん温熱治療は、この課題への打開策として今注目されております。当科では、抗がん剤投与の直後から24時間以内の温熱治療を推奨しております。当科では、ほとんどの方が標準治療にプラスして温熱治療を施行しておられます。がん拠点病院での標準治療と当科での温熱治療の併用は、従来の奏効率を向上させると考えられ充分挑戦する価値のあるものだと考えております。

最新型温熱治療装置
サーモトロン‐RF-8
「GR-edition」

恵仁会藤木病院では、2004年に富山県で最初にサーモトロンRF-8を使用したハイパーサミア治療を開始いたしました。導入後より富山県のみならず日本全国の多くのがん患者様にご利用していただき、数々のドラマを経験いたしました。治療開始から18年、2022年11月にサーモトロンの最新型「GR-edition」に更新いたしました。当科のがん治療の特徴はサーモトロンを使用した温熱治療と低用量化学療法さらに高気圧酸素療法の3者を集学的に利用する低侵襲がん治療です。最新機種への更新を機にさらにこの治療法を改善しながらがんに悩む患者様とそのご家族のお力になれるように努めていきたいと考えております。

侵襲集学的治療法を
有効にするためには~
低標準治療との併用で
奏効率の向上を目指す

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